お客様のご紹介 山本食品株式会社様

国内には、独自の技術を持ち、秀逸な食品を私たちの食卓に届けてくれている組織があります。
今回は、長野県でそばを製造・販売している山本食品株式会社様(以下山本食品)を紹介します。

山本食品との出会いは、昨年(2019年)春ことでした。長野市にある本社工場とは別に長野県飯綱町に新工場を建設し、FSSC22000の認証を目指す中、縁あって認証取得の支援を担当させて頂き、6月から継続的に訪問してきました。(2020年5月にFSSC22000Ver5を認証取得されています。)

飯綱工場は長野県北部飯綱山の麓に位置します。北信ならではの景観の中、十割ソバ専用工場として2018年に竣工した衛生管理を徹底した最新の工場です。
十割そばを製造する場合のリスクとして、小麦(グルテン)の交差汚染があります。
十割そばと、二八そば等つなぎに小麦を使用したそばを同一の工場で製造する場合、機械や用具、作業者から小麦(グルテン)の交差汚染防止を防止することが求められます。山本食品では、飯綱工場を十割そば専用工場とするとで交差汚染リスクを限りなく下げています。
そば通や自分でそばを打つ方ならご存じの通り、十割そばを打つのは簡単なことではありません。ボソボソしたものとイメージを持っている方も多いはず。通常そば打ちに小麦粉を使うのはグルテンの力を借りるためです。十割そばはつなぎの力を使わないので、あの触感を出すのが難しいのは当たり前です。
ところが、山本食品の十割そばはボソボソ感が感じられません。そばのでんぷん質の力をうまく利用した独自の製法によって、のど越しの良い、そばの風味あふれる製品を作り出しています。

春には職員参加のそば打ち大会を開催し、そば作りの技量を高めているのも独自の文化だと感じましたし、こうした積み重ねが良質な製品を生み出している原動力になっているのだと思います。

さて、飯綱工場のFSSC22000取得の取組みですが、事務局を担当された工場長と品質管理課長の努力でスムーズに進めることができました。
一般的にこうした規格認証で実施しなけらばならない要求事項は文面が難解なことが多く、特にHACCPについては、内容を理解し作業工程図や危害分析表の作成することに時間を要します。私たちコンサルタントが求められていることを解説し、事務局や工場で働く皆さんが構築していくという二人三脚の様な関係が必要になります。食品工場では、すでにFSSC22000が求める要求事項を実現していることも多く、これらを生かすことで過度に記録を増やさないことも重要だと考えています。

マネジメントシステムは認証取得するより、その後の運用が大切と言われます。
飯綱工場のFSSC22000認証取得に絶大なリーダーシップを発揮された山本社長も「これからが大切」と仰っていたことが強く印象に残っています。
いつまでも応援したい組織だと思います。